ルール~その1~

  • 2019.04.05

施術中に電話が鳴った。   私は表示された番号を見てから受話器を上げ、すぐにまた下した。   これが私のルール~その1~だ。   応対する気がない相手からの電話は無言で切る。   相手に用があってもこちらにはないからで、その応対に関してのルールは一般的な常識から外れていたとしてもそれを決める権利がこちらにあるからだ。   電話のマナーとして眉を顰め […]

ダック・コール

長いのと短いのどっちが好き?   と問われれば、迷わず短いのと答えるだろう。   小説の話である。   短編小説は自分の性格に合っていて、ときどき気分転換に読んで物語を堪能します。   短いからといって短時間で頭を悩ますことなく書けるわけもなく、ひとつの物語を作るのに当然何度も推敲し相当な時間を要するはずで、切れ味の鋭いエッジの利いた刃物のようにまとめ上げら […]

ネットバンク

アレックスが帰宅するとダイニングテーブルの真ん中に手紙が置かれていた。   手に取ると自分宛の封書で差出人は覚えのない女性の名前だった。   ビジネスレターではなく普通の封筒である。   窺うように妻の顔をさりげなく見てから開封せずにまた同じ位置に手紙を戻した。   妻のサラは読んでいる本に集中していて自分のことを見ていないし、手紙のことも気にはしていないよ […]

ネティポットで鼻うがい

ミズキは小さなころからカラダが弱く、いつも鼻を啜っているような女の子だった。   鼻を啜るのは実際に洟が垂れているわけではないのだが、それがミズキのひとつの習慣的な動きのようになっていた。   いや、彼女にしてみたら実際に洟が鼻孔の外側に姿を現す前に対処をしていたのかもしれない…   なんとしても洟が垂れているのを誰かに見られることは絶対に避けなければならない映像だっ […]

コーヒーの意外な効用

彼は人によく優しいと言われるが、自分ではそうは思っていない。   ただ人と争うことが嫌なのだ。   たとえそれがゲームであっても、勝敗を競うのは彼にとっては争うことなので出来れば避けたいと常々思っていた。   それに比べ、彼女はとてもはっきりした性格で感情をストレートに言葉にするし概ね物事の順位にこだわったり明確な答えを誰に対しても要求する…もちろん自分自身にも。 & […]

セロリ

林の中を歩いていると視界の隅に動きがある。   その方に視線を向けるとジョウビダキがいた。   鮮やかな胸元のオレンジが際立っていてとても美しくかわいい…   足を止めて見ていると、高い枝から少しずつ下の枝へと飛んで移動し、手を伸ばせば届きそうな枝まで降りてきて首を小刻みに動かしてこちらを見ている。   珍しいなぁ… 野鳥がそこまで人間の側に寄って来るなんて […]

侵入者

これはお客様から聞いたエピソード。   便宜上、ここでは彼女の名を仮にジャニスと呼ぼう。   ジャニスはもう何年も足を運んでくれている人で、私にとってとても大切な女性だ。 世間では場合によっては高齢と言われるかもしれない年齢で、人生のパートナーは数年前に鬼籍に入っている。なので、ジャニスは独り暮らしである。 年齢とともに人は身体のどこかにちょっとした軋みを感じたり、いろんな個所 […]

生き残りをかけた戦略

  • 2019.02.02

うるさかったセミの声が聞こえなくなり、夏も終わったなぁ…と感傷的になるのは生き物の姿を目にすることが極端に少なくなるからではないかと思います。   毎年、そんな季節の変化に抗う最後の虫がカマキリではないでしょうか。   カマキリは手が鎌のような形をしていて顔が三角でカラダが細長く、あまり可愛くない生き物だと感じる人も多いかもしれません。   可愛くないというよりも気持 […]

行方

使いもしないのにうちにはブラウン管テレビが2台もあった。 使いもしないというのは、使えるのだけど使わないという意味がひとつ、使おうとすればチューナーなどの装置が必要となり、そうするには余計な出費と手間がかかり、そこまでして使おうとする気がない…それならば新しい薄型のテレビを買った方が…いいような気がする。 といったどっちつかずの消極的な理由から、ただ狭い部屋の隅の一角を占有しているに過ぎない使いも […]

新しいココロミ

  • 2019.01.22

現在、2019年の1月22日 ゆうき整体院は今年の4月で開院9年目を迎えます。 これを機に新しいサイトに日々感じることなどを記録していこうかと思ってます。 開院以来お付き合いいただいている親愛なる人たちの健康と幸福を祈りつつ… 限りある過酷な人生のなかで、ほんの短いホッとするような一瞬を感じていただけたら嬉しいです。